シルクワーム(カイコの幼虫)
シルクワームは桑の葉とその近縁種を食べ、絹繭をとるのに利用される昆虫です。そして昆虫を食べる飼育動物のエサとしても与えられることがありますが、ミルワームやコオロギと比較して、栄養特性上多くの長所をもっています。さらにカイコの幼虫は体が柔らかく、ほとんどキチン質のない外骨格を持っていますので、たとえフクロウが飲み込む前によく噛み砕かなくとも、すぐに消化することができます。この利用しやすい昆虫で一番問題となるのはカルシウム:リンの比率です。通常の動物はカルシウム:リン比1:1〜2:1の範囲が推奨されますが、シルクワームはバランスが悪いのでフクロウのエサとして利用するには、是正が必要です。たとえば、利用する6−10時間前にグルコン酸カルシウムを新鮮な桑の葉にスプレーすることで、幼虫がそれを吸収することができます。ただし、この方法では24時間以内に高濃度カルシウムによってシルクワームが死んでしまいますので、与える時期を見計らって行う必要があります。また、フクロウに与える直前にシルクワームの体内にカルシウム剤を注射で投与することもできます。
シルクワームの栄養・化学組成(Frye and Calvert, 1989. 数字は乾燥重量による百分比)
水分 76.3%
窒素 10.4%
タンパク質 64.7%
脂肪 20.83%
カルシウム 0.21%
リン 0.54%
マグネシウム 0.24%
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