◎野生フクロウのエサ◎

和名 ヨーロッパコノハズク
英名 Eurasian Scops-Owl / Common Scops-Owl
学名 Otus scops
ヨーロッパコノハズクはエサとして主に昆虫類およびミミズ、クモなどの無椎動物を食べています。そのほか小型の鳥類、爬虫類、両生類、ほ乳類なども捕食します。昆虫類は、そのほとんどがコオロギ、バッタおよび甲虫、ガです。他に甲殻類、たとえばハマトビムシなどの端脚目、ダンゴムシやフナムシなどの等脚目、アマガエル科の樹上性カエル、ワキアカツグミくらいまでの大きさの鳥、ハツカネズミ、そのほかコウモリやトガリネズミなどのほ乳類を、時々捕食しています。
南スペインにおける調査では、ヨーロッパコノハズクのエサは無脊椎動物が94.3%を占めており、爬虫類が2.5%、両生類が1.2%、ハツカネズミが1.2%、鳥類が0.6%の割合となっていました。エサの種類は実にバラエティーに富んでおり、その数は159種にも及んでいました。無脊椎動物はもともと種数が多いので、このように多彩な食餌になったと考えられます。
ヨーロッパコノハズクの狩りの方法は、木の枝から降下して脚で獲物をとらえるか、はじめに獲物のそばに着地して改めてとらえるといったものです。また歩いて狩りをすることもあり、クチバシで小さな獲物を捕まえたり、地面からミミズを引っぱり出したりします。さらにガなどが飛んでいれば、上手に後を追って、足でとらえて食べます。ヨーロッパコノハズクは素早く小回りのきく飛行で、飛んでいる虫も捕食することができます。捕まえた虫は小さいものなら丸のみにしますし、大きい獲物や脊椎動物ならバラバラに引き裂いてから食べます。小鳥を捕まえたら、タカなどと同じく羽毛をむしってからバラバラにして食べます。
狩りをする時間は主に夜ですが、時には昼間行うこともあります。
参考文献:
Manfred Heidenreich (1995),
Birds of prey medicine and management, Blackwell Science, Inc., MA
J d Hoyo, A Elliott and J Sargatal(1999), Handbook of the birds of the
world Vol.5, Lynx edicions, Barcelona
Hand, Thatcher, Remillard and Roudebush, 本好茂一監修(2001),小動物の臨床栄養学第4版, マークモーリス研究所日本連絡事務所,
カンザス州トピカ
Boxes,
baskets and platforms / artificial nest sites for owls and other birds of prey,
Sue M. Dewar and Colin R. Shawyer, the hawk and owl trust, London
Fredric L. Frye, 松原哲舟監 (1997), 飼育下爬虫類の食餌, LLL Seminar
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