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コキンメフクロウ

◎野生フクロウのエサ◎

和名 コキンメフクロウ
英名 Little Owl
学名 Athene noctua


コキンメフクロウは体重160-200g程の小型フクロウです。ヨーロッパ・北アフリカから中国にかけて、世界中の広い範囲に分布しています。しかし野生下でのコキンメフクロウの食性はあまり詳しく調べられていません。一般的な小型フクロウと同じく、主にげっ歯類などの小型哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類およびコオロギ、ガ、カブトムシなどの昆虫類、ミミズを捕食しています。コキンメフクロウは標高が低めの、荒れた草原地帯でエサを採ることが多く、必然的に昆虫類やミミズを多く捕食しているようです。エサとなるものの種類は比較的多く、実に30種以上の獲物が記録されています。

さらに肉食のイメージがあるフクロウ類としては珍しく、植物も少量採食していることが分かっています。食べているのはイネ科植物などの葉、果物や液果、トウモロコシ等です。ただしその量はやはり少ないようです。このあたりは、ネコの祖先であるリビアヤマネコと大変よく似ています。ネコは肉食傾向の強い動物といわれていますが、実際のリビアヤマネコの食餌は、げっ歯類やウサギ、ヘビ、鳥、昆虫、果実などです。このことから、フクロウは栄養学的に猫に近い食性であると考えられ、より詳しく研究されているネコの栄養学は、フクロウにとっても参考になるものと思われます。

コキンメフクロウの食餌に占めるエサ動物の中では、昆虫など無脊椎動物の割合が圧倒的に多く、70%以上に及んでいます。ただしコキンメフクロウが住んでいる地域によってもその割合は異なり、ドイツでは割合が低い一方、イタリアでは高くなっていて、その値は98%にも達します。これは、コキンメフクロウはハタネズミが多くいるところでは、ハタネズミを捕食し、あまりいないところではその他のエサを捕食しているためと考えられています。特に中央ヨーロッパから地中海沿岸にかけてはハタネズミが少なく、そのため他のエサを多く捕らねばならないのです。このように考えると、コキンメフクロウも通常の動物と同じ行動パターン「できるだけ楽に、栄養価のある食餌を、多く捕りたい」という基準で動いていることが分かります。この条件に最も合うのがハタネズミであり、無脊椎動物は二の次になるのでしょう。

コキンメフクロウのエサの食べ方にも注目してみましょう。一般的に小型フクロウはクチバシを使い、大型フクロウは足を使って攻撃することが知られています。コキンメフクロウは小型フクロウですが、大きな獲物の場合、上手に足を使ってエサ動物を捕獲することができます。また、小さな獲物はクチバシで捉え、甲殻類などある程度硬く大きさのある獲物は足で持ち、クチバシで23回砕いてから食べます。コキンメフクロウは小さいながら、足とクチバシを上手に使い分けて捕食しているのです。

さらに野生下のコキンメフクロウは獲物の貯蔵も行うと推測されています。余分に捕った獲物は、後で食べることができるよう隠しておきます。小型フクロウは大型種に比べ、体に余裕がありませんので、長期間の絶食には耐えられません。このため、貯蔵行動は大変優れた適応行動であるといえます。

コキンメフクロウの狩りは通常、夜行〜薄明性で、主に夕暮れ時から深夜にかけて行われます。そして夜明けの2時間ほど前には終了しますが、まれに日中行うこともあります。狩りをするときは見晴らしの良い枝や杭などに止まり、獲物が下に来たとき、すかさず上から落下するようにして捕らえます。さらに時折ホバリングを交えたり、獲物を追いかけて地面を走ったりすることもあります。その動きは大変素早く、まさに小さなハンターです。



参考文献:

Manfred Heidenreich (1995), Birds of prey medicine and management, Blackwell Science, Inc., MA

J d Hoyo, A Elliott and J Sargatal(1999), Handbook of the birds of the world Vol.5, Lynx edicions, Barcelona

Hand, Thatcher, Remillard and Roudebush, 本好茂一監修(2001),小動物の臨床栄養学第4版, マークモーリス研究所日本連絡事務所, カンザス州トピカ

 Boxes, baskets and platforms / artificial nest sites for owls and other birds of prey, Sue M. Dewar and Colin R. Shawyer, the hawk and owl trust, London

 Fredric L. Frye, 松原哲舟監 (1997), 飼育下爬虫類の食餌,  LLL Seminar



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