◎野生フクロウのエサ◎
「ザ・フクロウ:誠文堂新光社より」
和名 オナガフクロウ
英名 Northern Hawk Owl
学名 Surnia ulula
オナガフクロウにとって一番重要なエサは、ハタネズミです。それ以外にはもう少し大きな哺乳類や鳥類なども食べています。鳥類はツグミ程度の大きさまでが多いようですが、時にカラフトライチョウくらい大きな獲物を狩ることが記録されています。特に冬場は鳥類をより多く捕食しており、スカンジナビア地方における調査によると、その割合は90%にものぼっていました。逆にハタネズミは冬場雪で覆われた地表付近に生息していますので、狩りにくくなり、わずかしか食べていないようです。またもう少し大きな哺乳類もエサとなっていて、北アメリカではカンジキウサギの幼獣を獲ることが知られています。通常、ノウサギなどはリスと同様、ハタネズミの数が少なくなった際にその代わりとして捕られる獲物です。一方、中国ではメインの獲物となるげっ歯類は、ハタネズミよりもう少し大きなクマネズミになります。その他少数ではありますが、両生類、魚類、昆虫類なども捕食しています。
繁殖期のオナガフクロウは、ほとんどが小さなハタネズミをエサとしています。しかしノウサギが多い年にはこれらをエサにして繁殖を成功させることがあり、その割合は獲物全体の40〜50%にまで達することもあるようです。また繁殖時のトラブルとして、このフクロウは共食いをすることが知られており、時に親鳥が自分の子供を食べてしまうことが報告されています。
オナガフクロウの狩りは昼夜を通じて行われます。狩りは開けた場所にあるパーチから仕掛けられることが多く、常用するパーチからパーチへと移動していきます。そして獲物を見つけると襲いかかって地上で押さえ捕えたり、地面から獲物をかすめ捕ってきたりします。またホバリングもよく行い、空中で獲物を捕らえる事もできます。そして時に獲物の発するわずかな音を頼りにして、雪の中に飛び込んでエサとなる小動物を捕まえたりもします。
参考文献:
Manfred Heidenreich (1995),
Birds of prey medicine and management, Blackwell Science, Inc., MA
J d Hoyo, A Elliott and J Sargatal(1999), Handbook of the birds of the
world Vol.5, Lynx edicions, Barcelona
Hand, Thatcher, Remillard and Roudebush, 本好茂一監修(2001),小動物の臨床栄養学第4版, マークモーリス研究所日本連絡事務所,
カンザス州トピカ
Boxes, baskets and platforms / artificial nest sites for owls and other
birds of prey, Sue M. Dewar and Colin R. Shawyer, the hawk and owl trust,
London
Fredric L. Frye, 松原哲舟監 (1997), 飼育下爬虫類の食餌, LLL Seminar
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